カテゴリー「聴いた音楽」の86件の記事

2014年4月29日 (火曜日)

Pure Desmond ポール・デスモンド

Pure Desmond
ポール・デスモンド(Paul Desmond)

今回のオススメはサックスプレイヤーのポール・デスモンドのアルバムですが、その前に一曲、YouTubeで聞いてみましょう。
Ed Bickert Trio - Street Of Dreams

すごいですよね?テレキャスターでこんな音出るの? 何、このコードワーク中心のバッキング?
見ていても「ハテナ?」の連続です。とにかくすごい演奏です。
Ed Bickert、カナダのギタリストで、YouTubeにはあと数曲、トリオでの貴重な演奏が見れるので、興味を持った方はそちらもどんどん見てください。

さて、すでにリタイア済みで、過去の演奏音源もどんどん入手が困難になっていますが、とにかく入手が簡単な上に、出しゃばらない名人級の演奏が聞けるということで、このCDがオススメです。
Paul Desmondのリーダー作品ながら、Ed Bickertの至福の演奏がたっぷり聞けます。

ついでにもう一曲だけ。こちらは音声のみ。女性ジャズ・ボーカリスト、Rosemary Clooneyのアルバムにも何枚かEd Bickertは参加していて、必ずアルバムの中で数曲、ギター伴奏だけのバラード曲が収録されているのですが、特にこの曲の演奏は素晴らしい。ぼんやり聞いていると「エレピ?あれ、もしかしてギター?ギターでこんな伴奏出来るの?ええ?」となります。


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2013年7月 6日 (土曜日)

Stranger by 星野源

Stranger by 星野源

音楽というものの中には、初めて聴いた瞬間から心を鷲づかみにされるものもあれば、何度もくり返し聴き続けることでその素晴らしさから離れられなくなるものもある。
星野源というアーティストの名は雑誌や音楽記事で、その名前を知ってはいたけれど、実際に曲を聴いたのは、YouTubeの「知らない」のPVを見た時が初めてだった。てっきり堅物そうな名前から、もっと小難しそうな音楽をやる人だと、勝手に思い込んでいたので、「知らない」の持つ朴訥とした曲調に、意外な感じを受けたことだけは覚えている。

その時点では、心を持っていかれるような感動は無かった。「あれ?こんなシンプルな曲を歌っている人だったのか」と思っただけだった。「まあ、アルバムでも聴いてみるか」と、あまり深い感慨もなく、手に入れた「Stranger」アルバムも、聴き始めて数日は、「ふーん」という感じだった。

決して、分かりにくいアルバムでは無いはずなんだけれど、アルバム全体を30回ほど聴いた頃になって(iTunesって、こうやって再生回数とかがすぐに分かって便利ですね)、「ああ、これはすごく良いかもしれない」と思い始めて(まあそれに、30回も繰り返して聴ける時点で、アルバムとしての完成度は高いわけであって)、シングル盤や、過去のアルバム、書籍類の買い増しに至ったわけである(インターネット的に言えば、『←今ココ』という感じ)。

シンプルに見えて意外に複雑なコード感(メロディやコード進行自体は、極めて普通なのだけれど、部分的に充てられるコードがとても不思議)、誰に向けられたわけでもない不思議な歌詞世界、CDシングル初回盤に付いてくるDVD類の過剰なサービス精神(そのくせ、インターネット上や書籍から読みとれる『分かってもらえなくていいから』という過剰なまでの疎外感)。いやいや、面白い。個人的にツボにハマったいくつかのポイントは、もっと細々とあるのだろうけれど、とりあえず、まだ星野源という人にハマっていない人には、「知らない」の初回限定シングルと、「Stranger」アルバムを急いで入手して、折にふれて聴き続けてほしいということだ。

前作以前からのファンの人には、「おせえよ」と言われそうではあるが、まあそれはそれでしょうがない。「だって、こんなに名前の割に地味な人なんて、気が付かないですよ、普通」とだけ、言い返しておこう。負け惜しみの代わりとして。


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2013年3月22日 (金曜日)

ZOOEY 佐野元春

ZOOEY 佐野元春

前作のオリジナルアルバム「Coyote」から、すでに5年も経っていたことに驚いてしまった。
いくつか思いついたままに箇条書きでの感想を。

・基本的にはギターアルバム。しかしながら、各ギターの決めのリフやソロを強調した作りではない。そういう意味では、「演奏はギターバンド。アルバム全体はバンドサウンドを強調した作り」。
・バンドアンサンブルにおける個人のアレンジ能力や、メンバー各人の演奏能力には特筆したものを感じないが(比較対象がホーボーキングバンドという点で彼らは可哀想だ)、曲が曲として固まりで迫ってくるような(表現が難しい)見事な仕上がり。アルバム全体を覆うトーンはまさにマジックのようだ。
・2011年発表のカバーアルバム(「月と専制君主」)の発売時には、その制作意図が分かり兼ねたが、今回のアルバムを聞いて、今の声質(声域)と過去の自分の作品との距離感を確認するための作業、モノサシのようなアルバムが「月と専制君主」だったことに気付かされた。
・Deluxe版に同封の佐野さん自身の解説を読んで、「君と一緒でなけりゃ」が、アルバム「The Circle」制作時のアウトテイクであることに深く納得。あの曲だけアレンジが違うし、歌詞もアルバムの方向性と少し異なる。ただ、曲がアルバムから浮いているわけではない。人によってはアルバム中のベストテイクに選ぶのではないかな?と思える凄い仕上がり。
・もう一つ。本人による「世界は慈悲を待っている」の解説の中で、「アンジェリーナ」の文言があったことにニコリとした人も多かったと思う。この曲のイントロ部のギターリフは、まさにスローバージョンの「アンジェリーナ」のイントロのキーボードのリフと同じ。むしろあのテンポのリフにモータウンリスペクトの(そして前作「月と専制君主」のオープニングナンバー「ジュジュ」と同じ)アップテンポが重なってくるアレンジの妙には、まさに脱帽させられる。
・「The Sun」以降に歌われ始めた「ありふれた日常、人と人とのつながり、死生観」が全て詰まったアルバム。それでいてどこにも聞き手への圧迫感がない。自己完結型の「家族愛」や「性善説」に陥りがちな(そのくせ猛烈に説教臭い)日本のヒップホップ勢は見習ったほうが良い。
・Deluxe版Disk2に収録のデモテイク4曲は、ほとんど完成形のラフテイクという感じ。アルバム収録の完成テイクと大きくは違わないので、あえて聞く必要はないかも。
・Deluxe版Disk2のカラオケテイクは完全に不要(笑)。何故これを収録したのか、今の時点では理解不能。
・Deluxe版Disk3のオマケ映像は、スタジオでのやり取りや、完成テイクに合わせたいわゆる当て振りなので、これもあえて無理をしてまでの購入は不要かも。でもとにかく佐野さんが楽しそうだ。
・いつもいつもアルバムを聞く度に思い知らされるが、とにかく曲順が見事。「ビートニクス」~「君と一緒でなけりゃ」と畳み掛けるような展開の後、埋み火のように始まる「詩人の恋」の流れには、もはや言葉が出てこない(オープニングテイクからの3曲の後、「愛のためにできたこと」でのクールダウンにも似たものを感じるが、しかし「ビートニクス」~「君と一緒でなけりゃ」~「詩人の恋」には、ただただ感服させられる)。
・「詩人の恋」の一節。「君の身体に冷たい影が射すなら」が気にかかる。誰か身近な人が重い病にでもかかってしまったのだろうか?
・最新作が常に時代の先を、未開の大地を目指しているという点で、佐野さんの音楽はいつもコンテンポラリーな作品に仕上がっている。
・そして最後に。繰り返しになるが、ここ3作(「The Sun」「Coyote」「Zooey」)で歌われているテーマは「ありふれた日常、人と人とのつながり、死生観」だろう。これらの中で歌われている「別れ」は、日本の楽曲に有りがちな「愛情のもつれ」や「性格の不一致」ではなく、まさに「死別」と捉えた方が納得がいく(全ての作品がそうとは言わないが)。そうした重いテーマをロック、ポップの土壌で展開しようとする点で、やはりこの人はパイオニアだと気付かされる。「The Sun」の頃より、「遠い声に導かれて」始まったこの旅の行き着く先はどこになるのだろう?


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2012年12月 6日 (木曜日)

UNICORN SME ERA-remastered BOX(DVD付) UNICORN

UNICORN SME ERA-remastered BOX(DVD付)
UNICORN

タイトルどおりの内容ですね。
ユニコーンのSME時代の(再結成前の)CD8枚と、PV集のDVD1枚がセットで、期間限定の大安売りという商品。

これ定価が6500円くらいなのですが、Amazonで5000円だったので、予約して購入しました。
ユニコーン自体に、大きな思い入れも無く、所々では聞いていたのですが、アルバムをきちんと聞いたのが、再結成以降ということで、そういう(稀有な・不熱心な)人には、非常にありがたいボックスセットです。

1枚ずつ聞いて、精進することにします。
ところで、予約時点で5000円だったのが、先程確認したところ、いきなり4700円まで値下がりしていました。
あれれ? 売れてないということですかね?...。

再結成後の勇姿はこちらから。(ユニコーン - 蘇える勤労・ライブ映像)
https://www.youtube.com/watch?v=YfB1sjKucQY



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2012年7月21日 (土曜日)

スティル・クレイジー/[DVD] ブライアン・ギブソン

スティル・クレイジー [DVD]
ブライアン・ギブソン

<Amazonの商品解説より>
解散した人気ロックグループが、20年後に再結成をもくろみ栄光を取り戻そうとする姿を描いた傑作音楽ドラマ。スティーブン・レイ、ジミー・ネイルほか出演。

まあ、ありがちなあらすじの映画で、予想通りの展開を見せてくれます。
ただ、この手の映画の最大のポイントは、劇中で演奏される曲のクオリティだと思いますが、その点では、なかなかそれっぽい良い曲が、各時代に沿ったアレンジで演奏されています。曲はなかなか良いです。

予想通りの展開と予想通りのエンディングという点では、人によっては肩透かしに感じるかもですが、この手の映画は、各俳優への感情移入がどれくらい出来るか?という要素もあるので、あとはお好みで、という感じです。


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2012年7月20日 (金曜日)

みんなのうた/特別版 [DVD] クリストファー・ゲスト

みんなのうた 特別版 [DVD]
クリストファー・ゲスト

Hulu(http://www.hulu.jp/)に会員登録をして、いくつかの番組を見た後に、何気なく「フォークソング」がテーマのコメディという予備知識だけで、この映画を見始めたが、あまりにも面白くて一気に見てしまった。

1960年台にのフォークブームを作り出した伝説の人物が亡くなり、彼を追悼するためのコンサートを開こうと、3つのバンドに出演依頼をするというのが主なお話。その全ての流れを、ドキュメンタリー風に撮っているのがこの作品の最大の特長。

過去のアルバムジャケット、テレビ出演時の白黒映像、演奏される楽曲、伝説となった事件をとりあげた新聞紙面、追悼コンサート用に取られたインタビュー映像等々。細かい部分まで作りこまれているが、それぞれのやり取りがどこかリアルで滑稽で不思議なムードに溢れかえっている。(Wikiによれば、元々細かいセリフは用意されず、各役者がアドリブで会話を続けているらしい)

全編が淡々と流れていくところが、演奏される楽曲と相成って、変な部分でゲラゲラと笑ってしまう(おそらくは、笑わせようとしていない部分で)。いや、そもそも、これをコメディに分類すること自体、無理があるのかもしれない。
スターダムに上り詰め、そこで精神を壊してしまったミッチ役の男優の演技が特におかしい。

ただひとつ惜しいのは、この映画、邦題で損をしているよな、と思います。なぜまた、よりによって国営放送のあれと同じタイトルにするかなあ?検索結果も出てきにくいし....。


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2012年5月25日 (金曜日)

Born & Raised/ジョン・メイヤー

Born & Raised
ジョン・メイヤー

John 男前 Mayerの新作。

一聴して気づくのは、カントリーロック、いやフォークロックと言ったほうが収まりが良いくらいのアコースティックな佇まいである。
よもや、この人のアルバムからブルースハープやラップスティールの音色を聴くとは予想もしなかった。しかもオープニングの1曲目からして、いきなりの「自由を求めて西を目指す」、いわゆるゴーウェストソングで幕を開ける。歌詞の中で、ニール・ヤングのアフター・ザ・ゴールド・ラッシュも出てくれば、ジョニ・ミッチェルのブルーアルバムまで出てくるのには、なんだ?一体どうしたの?という感じを受けてしまう。

いや、確かに前作「バトル・スタディーズ」の不毛っぷりには、「怒り」よりも「呆れ」が勝ってしまって、何をどうやったらこんな駄作が出来てしまうのか?と分析する気にもなれなかったくらいなので、ここでこうした「原点回帰」的なアルバムで心機一転、出直しを図ろうとするのも分からないではないけれど.....。

いやいや、でも待って欲しい。そもそもこの人の原点って、こんな音楽スタイルだったっけ?フォークで、アメリカーナで、ニール・ヤングやボブ・ディラン的なものだったっけ?

どうもその点だけが引っかかる。アルバム自体の仕上がりは良い。プロデューサーDon Wasのおかげだろうか。アメリカ本国でのレビューもかなり好意的なものが目に付く。往年のロックファンにも、これならば受け入れられやすいだろう。「彼のキャリアの中で最高傑作」という随分と気の早いレビューまでも目にする始末だ。

でもでも、やはりちょっとだけ何かが気になる。本当にこの方向性の音楽を彼はやりたかったんだっけ?何となくだけど、借り物の衣装を身にまとい、という印象が何処かから匂ってくる。ジョン・メイヤーって、こんなキャラクターじゃなかったよなという気持ちが、聴けば聴くほどに増してくる。

反省したフリのワルガキが書いた反省文、とまで言ったらさすがに言いすぎだろうが、どうもこの人の個性がどこかに埋もれてしまったような気分が、アルバムの所々で見えてしまうのだ。

まあ、「愛とは愛するということ("Love is a Verb")」(拙訳)という毎度のバカバカしいタイトルに、ジョン・メイヤーらしさを感じて、ちょっとだけホッとしている自分は、もしかしたら邪道なファンなのかもしれない。

まあ、前作よりも数段良い仕上がりであることだけは間違いない。実に良く出来たアルバムでファンなら当然のマストバイアイテム。でもね~。う~~~ん(笑)。


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2012年5月11日 (金曜日)

Vol. 1-Early Takes/ジョージ・ハリスン

Vol. 1-Early Takes
ジョージ・ハリスン(George Harrison)

昨年末のドキュメントフィルム、そのBlue-Ray/DVDボックスセットの特典として付いてきたオマケCDの単発発売ものです。
あの当時、箱物の特典と諦めていましたが、あっさりと半年も待たずして単発発売というのは、それを目当てに買った人にすれば、かなり頭のくる出来事でしょう。実に気の毒ですが、あっさり見送った当方としてはありがたい限りです。しかもAmazonの予約販売の時点では1100円くらいでしたから。

全10曲、トータル30分のいかにもオマケ的な短いCDですが、内容はなかなか充実しています。初期テイクとデモばかりですが、ほとんどの曲がスタジオでバンドメンバーを従えての録音なので、音質的にも問題なく、デモにありがちな一人で部屋で録音した「ウヘヘヘヘ音源」的なダレた様子もなく、逆にスタジオテイクでは聞き取れなかった細かい部分が鮮明に聞こえたりして、色々と発見があります。

全10曲中6曲が"All Things Must Pass"アルバムに収録されたもので、2曲がカバー曲、"Thirty Three & 1/3"アルバムと"Living in the Material World"に収録された曲がそれぞれ1曲ずつです。やはりソロ初期に多くの未発表テイクが残されているのでしょうね。

さて、昨年末のドキュメントフィルム(リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド)については、ほぼ95%まで納得のいく出来栄えで、唯一残念だったのが、キャリア後期のダークホース時代の映像や音源が、ほとんどスルーされていたことでしょう。ワーナー(だったかな?)との版権の問題でも残っているのでしょうか?、あの時期も非常に良い演奏が数多くあったはずですし、人前に出ることが少なかった時代なので、きっちりと後世に残してパーフェクトな自伝フィルムにして欲しかった。まあこの辺は今後に期待しましょうか。

ところで、このCD、Volume1と銘がうたれているので、2、3とドンドン出して欲しいですね。ジョージの死後に出された作品たちは(Brainwashed、Consert For George)、どれもやっつけ感が皆無で、製作に関わった人の愛情に溢れたものばかりですね。この点は、本当に嬉しい。これもひとえにジョージの人柄なのでしょう。

01.MY SWEET LORD (DEMO)
02.RUN OF THE MILL (DEMO)
03.I'D HAVE YOU ANY TIME (EARLY TAKE)
04.MAMA YOU'VE BEEN ON MY MIND (DEMO)
05.LET IT BE ME (DEMO)
06.WOMAN DON'T YOU CRY FOR ME (EARLY TAKE)
07.AWAITING ON YOU ALL (EARLY TAKE)
08.BEHIND THAT LOCKED DOOR (DEMO)
09.ALL THINGS MUST PASS (DEMO)
10.THE LIGHT THAT HAS LIGHTED THE WORLD (DEMO)



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2012年5月 6日 (日曜日)

月光 /斉藤和義

月光 /斉藤和義

本人曰く、今がピークだそうである。皮肉でも自嘲でもなく、音楽業界の浮き沈みの速さと、何が売れて何が売れないのかが完全に水物の世界に長くいる立場からの、客観的にして冷静な意見なのだろう。

もともと、シニカルな面もあり、歌詞のいくつかにそうしたムードも感じ取れたが、不思議にインタビューでそうした内側にある本音のようなものを吐き出すことが少ない人でもある。
ただ、その辺りについては自ら語らないことを心がけているというよりも、そこまで突っ込んだ話を世間が求めていないと見なされているようで、インタビューアーもあまり突っ込んだ話を聞いているように見えない。古い話で恐縮だが、アルバム「Because」が出た折に、例えば1曲目の「ジユウニナリタイ」が、前作「ジレンマ」アルバムの最終曲の「幸福な朝食退屈な夕食」のアンサーソングであり、更に2曲目ではその前作であれこれと思い悩む自分の姿を歌ったタイトルチューン「ジレンマ」を皮肉るように、アルバム全体のテーマすらも「煮えきらない男」としてバッサリ切り捨てていることを、「Because」アルバム発売時のインタビューで質問しているインタビューアーは皆無だった。
(さらにいえば、「さよなら」で一旦、アルバムの幕引きを行いながら、映画のエンドロールのように「I'm Free」が始まるが、これが1曲目の「ジユウニナリタイ」と対になっていることにも皆さんお気づきだろうか?ちなみに、この時のツアーではオープニングはドラム(小田原豊)とエレピ(斉藤)だけの2人演奏による「I'm Free」だったのは、なんだか興味深かった)

この人の初期のアルバムにはそういう細かい仕掛けや、試行錯誤の痕跡がイッパイ見える。しかし、あの当時、そこまで突っ込んでこの人にそのことを聞いている音楽雑誌は皆無で(笑)、なんとなくマイペースな飄々とした人という位置づけで、結局ここまで来てしまったようなのが、長年のファンとしては本当に残念である。

話が逸れたついでに。
個人的に「ああ、これ本気でしゃべっているな」と思ったインタビューは過去に2つ。一つはアルバム「Fire Dog」発売後のツアー先でのインタビューで、「ファンから『大丈夫』を聞いて励まされました、とか言われるけど、お前のために作ったわけじゃないよ」と毒づいているインタビューですね。結局、そこまでの4枚のアルバムについて、何一つ納得できずに、思い悩み、葛藤した結晶が次作の「ジレンマ」につながり、ここから一人多重録音が主要な録音にと移行していくわけですが。

あと、もうひとつは、デビュー後5年目で、初のベストアルバム(「Golden Delicious」)に合わせて、シングルを作成していたけれど(当然、会社としては短くてポップな曲を求めているわけですが)、その時に作られた非常にポップな1曲(10年後に未収録曲として別のベスト盤で初登場した「RIDE ON THE SUN」がそれ)をあっさりボツにしていて、たまたまそのタイミングでこの曲(「RIDE ON THE SUN」)を聞いていたインタビュアー(確かロッキンオンジャパンの記者だったかな?)が、どうしてこれをシングルにしないんですか?という質問を真剣に聞いているインタビュー記事。(確か回答は、「いやなんとなく嫌で」だったような(笑))

まあ、その時点ではファンである我々は「RIDE ON THE SUN」は聞けてないわけですが、そのポップな曲の代わりに出てきた曲が本気で売る気があるとは思えない「ソファ」という時点で、「この男、すごいわ」と、心の底から感心しました。

だからまあ、長々と書いてしまいましたが、本当に今のちょっとしたブームを、この人はまったく気にしていないだろうなと、自信を持って言えます。だって初のベストアルバム発売後のツアーで、バンド編(後に「Golden Delicious Hour」として発売)でも、そして初の弾き語りツアー(後に「12月」として発売)でも、一番良い所で演奏される最新シングルが「ソファ」ですからね。いや、どちらも会場で見ましたが、本当に呆れました。こののんびり横に揺れているだけの9分も続く曲で客にどうしろというのか?と(個人的にはスゴイ面白かったですが)。ほんとにあの頃から凄かった。この人のトンガリ具合は本物ですよ。新曲の話を全くしてないけれど、まあそういうことで、このピークが少しでも長く続くことを願ってます。

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2012年5月 5日 (土曜日)

Blunderbuss/Jack White

Blunderbuss/Jack White(ブランダーバス/ジャック・ホワイト)

ホワイトストライプス解散後、最初のソロアルバム。

初めてこの人の音を聞いた時に感じた「一人レッド・ツェッペリン」のイメージは、今作品でも健在ですね。

ツェッペリンファンの中には、この人の音を聞くたびに「こんなの猿真似じゃないか、ふざけるな」とお怒りの人もいるようですが、言うは易く行うは~の典型であってこれ、かなりレベルの高い、高度な技だと思います。

そもそも、ジャック・ホワイト本人も、デビュー間もない頃に、ジミー・ペイジから激しく怒られるのではないか?とビクビクしていたら、当の本人からものすごく好意的なコメントを貰ってホっとしたという、嘘のような本当の話があるくらいですから。(その後、親睦を深めるうちに、例の映画での共演となりましたね)

このアルバム、とにかくカッコイイの一言です。音の重ね方が素晴らしい。単純なフレーズをギターや、エレピ、あるいはストリングスが繰り返し、そこに様々な楽器が重なってくる。とても単純で、「あれ?それだけなの?」と感じさせるくせに、何がどうなったらこうもカッコ良くなるのだろう?という、ある意味、現代の魔法のような音楽です。
とにかく無条件にカッコイイです。こういうアルバムは数年に1度しか無いと思うけど、こういうのに出会えるために、アルバムを聴き続けていたんだよなあ、と嬉しくなります。

「オレは死んでもあいつだけは認めないからな」という人にこそ、繰り返し何度でもリピートで聞かせたいですね。

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