カテゴリー「読んだ本」の105件の記事

2013年8月22日 (木曜日)

ロックの美術館/楠見 清

ロックの美術館
楠見 清

Wikipediaでは、著者の職業欄は「芸術家、編集者、プロデューサー、評論家」となったいるが、そこにもう一つ書き足せるとすれば「素晴らしいロックの聞き手」というのがピッタリきそうだ。

著者の専門分野である現代美術の視点から、ロック音楽の主にデザイン面(ジャケット、商品パッケージ、PVなど)を熱く語った一冊。元々はクロスビート誌での連載記事を大幅に改訂したものとのことだが、1冊にまとまったものを一気に読んでいくと(実際に読みだすと止まらなくなる)、これまで気づかなかったいくつかのアルバム同士の関連性や、アーティストの思惑が透けて見えてくるようになり、とにかく痛快で面白い。

本屋の店頭で手にとった時点では、ただのアルバムジャケット解説本かな?と思っていたが、読み進むほどにロック界におけるデザインの果たす役割や、数々の功績、今後の未来のようなものまでが読み手にビンビンと伝わってくる良書。これは面白い。

※文中の小さな部分での校正ミスがちょっとだけ残念(Bill Evansの"Undercurrent"がBill Evans Trio名義になっているが、これはBill Evans & Jim Hallの誤り。Kurt Cobainの"The "Priest" They Called Him"の発売年1993年が一部の記載で1933年になっていたりとか)。
そういえば昨夜、クロスビート誌の休刊のニュースを見たが、小さな校正ミス等を思い出すに、雑誌社はもう少し頑張れないものかなと思ってしまう。老婆心ながら。


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2013年7月21日 (日曜日)

開店休業/吉本 隆明  ハルノ宵子

開店休業/吉本 隆明  ハルノ宵子

吉本隆明の最後の日々。

老いが進み、執筆・連載の影で、死の影が忍び寄る様子が、後日談のように各話の後に添えられた長女のハルノ宵子の話から伺われる。

吉本氏の連載記事だけでは、ただの連載記事の単行本化であっただろうが、ハルノ宵子の筆があるお陰で、それらの間、実際の生活では何が起こり、何が失われていったのかが、読者には痛いほどに伝わってくる。
最後の著作となった本書の価値は、ハルノ宵子のページにあるのではないか、と読後に重く感じられた一冊。


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2013年7月20日 (土曜日)

銀の匙 Silver Spoon 8 (少年サンデーコミックス)/荒川 弘

銀の匙 Silver Spoon 8 (少年サンデーコミックス)
荒川 弘

もう6巻以降から、読む度に泣けてしょうが無い。
先日、中学生の女子とこの本の話をしたところ、「え?そんなに泣ける?」と怪訝な顔をされてしまったけど、いやいや、何が泣けるのか自分でも分からないけど、もはや泣き所が満載ですよ。わからないかなあ、この八軒の真っすぐなところが泣けてしょうがないということが...。

さて、季節はめぐり、冬へと向かう次巻以降の展開が気になってしょうが無いです。八軒にとっても、初めての冬ですね、そういえば。

ちなみに「タオル付きにする?」と家人に聞いてみたけど、「カッコ悪いから要らない」と言われた。なんで俺の周りにはみんな冷たいんだ?

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働く男/星野 源

働く男
星野 源

前作、「そして生活はつづく」で、ダメ人間ぶりを余すところ無く書き尽くしていたので、今回はどうだろう?と期待して読んでみたけれど、うーん、ちょっと期待したものと違う。

内容は「過去の音楽作品のセルフ解説」、「好きなもの77選」、「雑誌ポパイ連載の映画エッセイ」、「自曲の歌詞とコード(4曲)」という感じで、ちょっと散漫。
まあ、どれも適度に力が抜けて、読んでてところどころで脱力はできますが、前作のダメっぷりとはちょっと違う意味での脱力感。なんかちょっと違うんだよなあ。

でもまあ、早く病気を直して、復活して下さい。みんな待ってるので。


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2013年4月23日 (火曜日)

奇跡―ジミー・ペイジ自伝

奇跡―ジミー・ペイジ自伝

事前に、読書評として「読み足りない」「質問が弱い」などの低い評価を知っていたので、あまり多くを期待せずに読み始めましたが、まあ思ったよりはしっかりした内容で十分楽しめます。

ただ、基本はジミー・ページへのインタビューを補完する形での作者の記述がメインのため、全体的に分量が少なすぎるように感じます。実際にコアなファン層にとってこの本が低い評価になるのは、その辺が原因かなとも思いました。

個人的に非常に感心したのは、ジミー・ペイジという人は、決して他のアーティストの悪口を言わないという点です。若い頃からそうなのか?歳をとってからそうなったのか?は不明ですが、他のアーティストの活動や作品の評価については、必ずポジティブで肯定的な回答をしています。どうしても低い評価になりそうな場合は、回答を避けるか、実名が出ないように回答をしています。
もっと傲慢で我儘なイメージがあったので、その点は意外で、逆にちょっと見直しました。

まあ書籍の値段も妥当な価格だし、意外な発見はあるはずなので、初心者を中心にオススメしておきます。


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2012年12月 6日 (木曜日)

ニール・ヤング自伝I/ニール・ヤング

ニール・ヤング自伝I
ニール・ヤング

あまりにも期待が大きすぎると、結構な肩すかしを食らうかも。

現在の生活と、自身の熱中している各種プロジェクトの話が、ちらほらと混じりながら、思い出すままに過去の話も書き散らかされています。

悪くはないのだけれど、もっとゴリゴリとしたものを予想していただけに、力んで読み始めると、「あれれ?」という肩透かしを食らってしまいます。
話はあちらこちらに、思いつくままに飛ぶさまは、ディランの自伝にも似ていますが、あちらが、ひとつの章を使って、かなりじっくりとその時点の話を書き込んであるのに比べ、こちらはどちらかといえばBlogの日記のようで、あれこれの話が、わずかずつ細切れの章立てで書きだされています。
もちらん、伝説となったバッファロスプリングフィールド結成前のスティヴン・スティルスとの出会いなど、伝説話が事実であったことを教えてくれる貴重な話も含まれているので、発見はいろいろあるのですが、うーん、それにしても、今少し物足りない感じが読後に残るのも事実。

なお、本書は英語版の前半部のみの訳出です。後半部は年明けにIIとして発売が決まっているようですが、英語版1冊分を読むための出費が合計で5600円というのは、ちょっと高すぎるような気もします。
章立てが多すぎる関係上、空白のページも多い上に、ただですら書体の文字サイズが大きいので、もう少しコンパクトなサイズにまとめて、1冊で完結して3000円くらいで出版できないものかな?という不満は残ります。

まあ、文句がある人は英語版を買って読め、ということですね。
日本語で読める有り難さと、書籍の値段を天秤にかけて、この辺りは各自の判断でお願いします。


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2012年8月 1日 (水曜日)

世界のなめこ図鑑/金谷泉

世界のなめこ図鑑
金谷泉

子供がこのゲームにはまってしまって、この本も「買って欲しい」ということで買い与えました。甘い父親ですw。

図鑑という名称から、もっとデーターブック的なものを想像していましたが、キャラクター別の4コマ漫画のような作りです。しかも、1キャラ辺りに2頁~4頁使ってなので、あっという間に読み終わります。
まあ、なかなかおもしろい箇所もありますが、値段に見合うかというと、ちと疑問。このキャラが好きで、初回分についてくるストラップ目当てであれば、トントンといったところでしょうか。扱われているキャラ数は30とのこと。結構ページ数は薄いです。

Amazonでは何故やら、発売日からいきなり在庫切れ。近所の大きめの書店でも扱いが無く、そもそも入荷していないということで、仕方なく大きめの町まで出て、そこで買って来ました。町の本屋(ジュンク堂)では平積みされていたので、結構入荷場所によっては扱い点数にムラがあるようです。


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2012年7月20日 (金曜日)

マイクロワールド /(ハヤカワ・ノヴェルズ) マイクル クライトン

マイクロワールド (ハヤカワ・ノヴェルズ)
マイクル クライトン

マイケル・クライトンの死後、彼のパソコンの中に残された書きかけの原稿と構想ノートをもとに、新たに加筆を行い(エボラ出血熱を題材にした「ホットゾーン」の作者、リチャードプレストンが担当)、完成にこぎつけた作品。

100分の1のサイズになった人々が、ジャングルの中に放り込まれて、マイクロワールドの中で、数々の生物(主に昆虫類)や、自然の脅威の中から生還出来るのかというのが主なお話。

それにしても、「生還」と書きましたが、登場人物が実に凄惨な方法で、まさに虫けらのように命を落としていきます(オープニングシーンからして、それです)。

最初のシーンから、「あれ?これ映画化は諦めているのかな」と思うほどの、実に壮絶な殺しっぷりです。
まあ、それはさておき、最新の技術と、意外な切り口による驚かされるような発想で、ミクロ化した世界で起こる異常な世界観が緻密に描き出されていく様子はさすがです。バリバリのCG映像で構わないから映画館で見たいような、いややはり殺され方がなあ~~。


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2012年7月14日 (土曜日)

ここがホームシック・レストラン/アン タイラー

ここがホームシック・レストラン (文春文庫)
アン タイラー

久しぶりに小説らしい小説を読んだ気分。と言っても20年以上前に発表された作品で、翻訳本もほぼ同じ時期に出ていたので、単に当方が読む時期が遅すぎただけ。

あらすじ等はAmazonの商品解説等を見てもらうとして、感想を一言だけ書くとすれば、小説でしか書き切れない面白さということ。

映画、ドラマ化、いずれの形態にも出来るだろうけれど、そもそも事件らしい事件が一切起こらない話の流れのため、部分的に映像化をしても物足りないだろうし、ドラマ化で全てを映像化するには長すぎる。そして同じ場面におけるそれぞれの心情の違いを描き切るには、やはりここは小説という媒体が最上のものでしょう。

村上春樹ファンの自分がいうのもあれですが、この手の優れた作品は「1Q84」の100分の1くらいでも良いから売れて欲しいですね。

あともう一点だけ。中野恵美子氏の翻訳は素晴らしく、これが元々、日本語以外の言語で書かれていたことを忘れてしまうほどの仕上がりでした。
もし未読の小説ファンがおられたら、是非。


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Collins Cobuild Learner's Dictionary/Collins Cobuild

Collins Cobuild Learner's Dictionary
Collins Cobuild

英語はあまり好きな教科ではなかったけれど、読んでおきたい音楽系の資料がいずれも翻訳されていなかったので、「まあ中高&大学と習ったから大丈夫だろう」と安易に考えて、英語の資料を買い求めたのがかれこれ20年ほど前。(既に社会人でした)

結局、英語に対しては「読む」というアプローチからばかりで、「話す」「聴く」というのは、いまでも中学生以下のような気がするが.....、いや「読む」だってせいぜい高校生くらいのレベルか。

さて、英文を多く読んでいくと、(学習しているつもりはなくても)やはり英英辞典の必要性にかられることが多くある。それは結局、突き詰めて言えば、英英辞典の必要性は、「英語圏の人として、その語をどう捉えるべきか?」という疑問に対して、その微妙な感覚(ニュアンス)を知るための、最も手頃で安上がりな方法だからだ。

しかし、ここで不思議なのは、日本の英語学習では英英辞典の必要性を説きながらも、そこで紹介されている英英辞書はO(オー)で始まるあれとか、Kで始まるあればかりである。
これらの辞書は確かに歴史は長いが、(少し店頭で手にとって見れば分かることだが)非英語圏の英語学習者には、あまり使い勝手のいいものではない。
使い勝手の悪さ=己の言語能力の低さ、とみんな考えがちだが、それは全然違う。あの手の辞書は英語に不自由していない人が、自分の使っている言葉の再定義を確認するために使用するものだからだ。

そういう意味では、我々、非英語圏の英語学習者が使うべき英英辞典は、Cobuild一択になるべきだと日々思っているが、なかなかそういう風にはこの辞書は普及してくれない。
この辞書の最大の特徴は、その言葉の用例が大量に載っているということだ。その単語が日常的に補っている意味合いが仮に6つあるとすれば、それぞれの正しく日常的な用例がそれぞれの意味合いを使った例として、大量に載っている。

これは意外にも、先のO(オー)やらKやらの辞書ではかなり手が抜かれている部分である。
今日、何気なく、iPhone関連のレビューを見ていると、ようやく日本のソフト会社がiOS用に、このCobuildを発売したそうだ(発売記念で半額の1100円)。
さっそく落として、読み始めているが(そうこの辞書は、空き時間にパラパラと読むべき辞書)、個人的には紙の辞書も捨て難かったな、と思って紹介する次第です。買うならこのバージョン(Leaner's)が一番使いやすいです。


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