カテゴリー「グレイトフルデッド書籍紹介」の18件の記事

2012年8月 8日 (水曜日)

グレイトフル・デッドに関する書籍

グレイトフル・デッドに関する書籍

音楽について、ましてやロックバンドについて書かれた書籍に対しては、熱心なロックファンの間では「あまり重要視すべきではない」という風潮が洋の東西を問わずあるような気がします。

しかし当方は、部類の書籍好きなので、これまで結構まとまった量の書籍を買い求めてきました(最近は以前ほど執拗な買い方はしてませんが)。

先日、久しぶりに「Grateful Dead」や「Jerry Garcia」という検索ワードでAmazon.co.jpを検索しましたが、「これはどうしたことか?」、あまりオススメしかねる書籍が上位に表示されたり、本来まっさきにオススメすべき書籍が検索結果に引っかからなかったりと、なんとも首を捻るような有り様でした。

そういうわけで、2012年08月現在、比較的無難な価格(主に2000円以下、一部3000円以下)で購入可能なものをざっと紹介しておきます。

なお、良書だけれど、イタズラに高額な値段の付いてものは、ここでは全て無視します。安くで再発して欲しいですけどね。

Garcia: An American Life 

ここ10年くらいオススメし続けている良書ですが、いまだに評価が低くて悲しくなります。しかも「Jerry Garcia」で検索しても出てこないし(泣)。どうなってるんだよ、Amazon.co.jp......。

当方では最初の1冊は書き込みと線引きだらけになったので、新たに1冊買って、その後、Amazon.comでKindle版が出たのでこれも買いました(主に文字列検索用)。何はなくてもこの1冊です。初心者にもベテランにもオススメします。

The Complete Annotated Grateful Dead Lyrics

歌詞解説サイトの書籍版(http://artsites.ucsc.edu/gdead/agdl/)

非常に便利ですし、書籍版では解説サイトには無いカバーソングの解説も書かれているので、書籍版の方がちょっとお得です。

A Long Strange Trip: The Inside History of the Grateful Dead

オフィシャルから発売された正式なバンドの自叙伝です。

全体のバランスがおかしい(バンド後期の記述が少な過ぎる)という問題点がありますが、まあ持っていても損は無いです。

Grateful Dead Gear: All the Band's Instruments, Sound Systems, And Recording Sessions, From 1965 to 1995

バンドが使用した使用機材について書かれた書籍です。同時期にBeatles関連の機材本が出されたので、それがウケたのを見て同じノリで出されたのだと思います。マニアが泣いて喜ぶ程の域には達していないのですが、しかし十分に内容は濃いです。少し高いですが、機材好きな人にはオススメします。

Between the Dark and Light: The Grateful Dead Photography of Jay Blakesberg

写真集です。80年頃からグレイトフル・デッドを追いかけ始めた一人の青年が撮り続けたバンドの写真集です。ハードカバーがまだ少し取り扱いがあるようなので、ハードカバーをオススメしておきます。写真集は大きな図版で見たいですから。

各写真にそえられたコメントがなかなか面白いです。

Searching for the Sound: My Life with the Grateful Dead

ベーシスト、Phil Leshの自叙伝です。暴露本ではないため際どい話は少なく、やや中身が薄く感じる部分もありますが、さすがに同じステージに立ち続けた人にしか話すことのできない話も載っています。この手の書籍では欠かせない人物や曲に関する巻末のIndexがないため、資料としては使い勝手が悪く、その点が個人的には少し残念です。

Dead to the Core: An Almanack of the Grateful Dead

一人のファンが作った、各曲、各時代に対する思い入れたっぷりの解説本。一歩間違えたらグダグダになりそうな内容を、この人はウマクまとめています。あてもなく中身を流し読みして、気になる箇所を見つけたらそれにまつわる音源を探しだし、そのショーやその曲を聞きながら読み進めるような、永遠に終わりの来ない拾い読みをオススメします。


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2011年2月25日 (金曜日)

The Complete Annotated Grateful Dead Lyrics/David Dodd

The Complete Annotated Grateful Dead Lyrics
David Dodd

この本は、本当に良書なので、改めて紹介しておきます。

Grateful Deadには、Robert Hunterと、John Perry Barlowという2人の作詞家がいます。
彼らの演奏する曲は、主にこの2人が作詞したものと、その他のカバー曲がほとんど大半を占めます。

ロックの歌詞というものは、たいていの場合、聞く人の思い入れの強さによって、拡大解釈されたり、行間を読む作業がなされるものです。そうした、「この部分はこういう意味なんだよ」「ここはこういうことじゃないかな?」という、各曲に対するいろいろな解釈を集めたサイトが、95年の1月に立ち上がりました。
それがこちらです。(http://artsites.ucsc.edu/GDead/agdl/
今見ても、地味ながら良く出来たサイトだな、と思います。ただ、ここにはいわゆるオリジナル作品は含まれていますが、カバー曲や、トラディッショナルの曲は含まれていませんでした。

その後、このサイトの内容を中心に2005年10月にハードカバーが出版されました。何よりも驚かされたのは、カバー曲やトラディッショナル曲も、その書籍の中で取り上げられていたことです。そして2007年05月にペーパーバック化され、廉価で購入できるようになりました。いやいや、素晴らしい展開です。

本書にはグレイトフル・デッドの写真は含まれていません。あくまで歌詞とそれぞれの注釈を淡々と記しているだけですが、バンドに対する愛情を強く感じさせられる内容です。合間にはさまれたイラストもなかなか楽しいです。


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2010年12月28日 (火曜日)

Searching For the Sound by Phil Lesh

Searching For the Sound by Phil Lesh

資料的な価値を求める人や、トリヴィア的なネタを求める人には、この本は少し読み足りないかもしれません。本書では、フィルが問わず語りのように、訥々と語りかけるような流れで全体が構成されています。彼は自分の生い立ちから、音楽との出会い、バンドとの出会い、各種の出来事(ウッドストック、オルタモント、ピッグペンの死、今の奥さんとの出会い、子供の誕生、ジェリーのことなど)を、時代順に語っていきます。
実際に、この書籍は曲名や人名などのインデックスも無く、各章ごとの小見出しすら無いという徹底振りです。同時発売のCDブックでのフィルの朗読を聞きながら読み進めていくと、その「問わず語り」感は強くなります。「うん、そう、それから子供が生まれたんだ。あれはすごい体験だったね」という話を、同じ部屋にいるフィルから直接聞かされるような、そんな文体です。

もちろん、本文の中にはトリヴィア的な発見があることも事実です。初めてフィルがメンバーたち(この時点では The Warlocksですね)と一緒にリハーサルをした時に演奏した曲は何か?、グレイトフル・デッドというバンド名をつけるきっかけになった英語辞書は誰の持ち物だったか?、ダン・ヒーリーがバンドを辞めた理由は何か?、"Unbroken Chain"を演奏するようにフィル薦めた人物は誰か?などなど....。ただ、この書籍の意義は、そうした裏話的なものではなく、フィル・レッシュという一人の人間が数奇な運命に操られるように、音楽や多くの人々に出会い、現在まで生きてきたということです。そして読了後にまず僕が感じたのは、フィルがこの世界のどこかで生きていて、今も音楽活動を続けているという確固たる事実でした。

さて、デッド関連の書籍を読み進めていくと、後半がどんどん辛くなってきます。それは95年のジェリーの死について、誰もが避けて通れないからです。僕にはかねてからデッドというバンドに対する疑問がありました。それは、ジェリーの体調がどんどん悪くなっていくことを、誰もが分かっていながら、デッドとしてのツアーを止めようとしなかったことです。本当であれば、94年の早い段階ですべての活動を止めて、ジェリーをリハビリに専念させるべきだったのです。そのことは、デッドに近い関係者であれば、誰もが語る事実です。
しかし今回のフィルの話を読んでいると、それを止めることはフィル自身にも、そしてメンバーの誰にも出来なかったということが語られています。とにかくこの95年という年、バンドは疲れ果てていました。会場ごとに繰り返される暴動まがいの騒ぎ。警官と観客の小競り合い。ジェリーへの脅迫事件。会場周辺での観客の事故死。もう何もかもが暗い穴に落ちていくように、すべてが不吉なままに、なす術もなく、ただショーだけが淡々と繰り返されていたのです。

もちろんフィル自身も、ただジェリーを傍観していたわけではありません。90年以降のあるミーティングでは皆の前で、薬物依存の度合いを深めるジェリーを罵ります。ただ、そうしたことを何年も繰り返すことに、皆が本当に疲れてしまったのでしょう。まるで伝説上の生き物が、ただただ自分自身の巨大さのために、死のカーブを曲がりきれなかったような、そんな最期だなと。僕にはそんなふうに思えるのです。

本文の中でフィルは何度も、ジェリーをいつも目指していたと語っています。言葉を変えて、何度もそのことが語られています。でも、そのフィルにしても、もう最後にはジェリーが死に近づいていることを諦めてしまっていたような、そんな気がするのです。
最後のショーとなってしまった95年07月09日シカゴのショーで、"Unbroken Chain"の後、"China Doll"を演奏しようとするジェリーをさえぎるように"Sugar Magnolia"の演奏を始めるボビー。アンコールの"Black Muddy River"に「これでショーを終えるのは辛すぎる」と考え、"Box of Rain"を演奏したフィル。それがメンバーに出来るせめてものことだったとしたら、それはあまりにも悲しすぎます。

蛇足ながら。
これは意地悪な読み方かもしれません。でも本書で、ただ一つ気になった点は、メンバーに対して(特にボビーに対しては)否定的な意見がほとんど書かれていないということです(中扉にもボビーと一緒の愛情豊かなスナップ写真があります)。これはフィルの性格がそうさせるのでしょう。そして今後もThe Deadという形でバンドを続けていくためには、そうした配慮が必要なのでしょう。本来であればThe Other One時代にあったボビーとの確執、初期のバンドで半人前扱いだったボビーのことなど、まったく触れられていないことは何だか不自然であるなと思いました。でも、それは当事者であるために語れないことなんだろうなと、そんなことも考えてしまいました。

追記。
あくまで噂レベルの話ですが。
本書については、日本語訳出版の話もありましたが、これは正式に流れたようです。残念ですね。

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2010年12月27日 (月曜日)

Grateful Dead関連のさらに落穂拾い。

Grateful Dead関連のさらに落穂拾い。

A Long Strange Trip: The Inside History of the Grateful Dead  Author:Dennis McNally

泣く子も黙るオフィシャル本。発行は2002年。
オフィシャル本にありがちな「触れてはいけない箇所(クスリ、メンバー間の対立など)」についても、どんどん書いてあるところが面白い。
読破するにはかなりの体力と時間、それに英語力(あるいは大き目の辞書)がいると思われる。
難を言えば、全体の配分が悪い点があげられる。80年以降の記述が端折りすぎ。
2003年08月にペーパーバック版が発売。

Dead Reckonings : The Life and Times of the Grateful Dead (The Companion Series) Author:John Rocco
デッドに関する記事を集めた編集本。発行は1999年。
一部の写真がピンボケだったり、出来の良くないイラストが使われていたりで、何箇所かで首をひねらされる。
他の良書を読んだあとでは見劣りがすることは確かだが、各種雑誌のインタビューなど、ここでしか読めないものもあるため入手しておいても損はない。また、幾分文章が読みやすかったり、デッドに関する基礎知識を必要としない文章が多いので、こちらの方が敷居は低いかもしれない。

The American Book of the Dead : The Definitive Grateful Dead Encyclopedia   Author: Oliver Trager

デッドの百科事典といったところ。発行は1997年。
デッドに関するあらゆるマテリアル(歌・アルバム・人物)などを、ほぼ完全に網羅する。その情報量には圧倒させられる。
ただデッドに関する事件や文化的な背景(「"I Need A Miracle"と指を立てることは何を意味するか?」「Parking Lotって何だ?」)については、ほとんど書かれていないので、そういう基礎的な事象を確認したい人には"Skeleton Key"を初めにお勧めしておきます。
デッドが演奏するカバーソングのバックグランドや、関連アーティストの情報、各メンバーのソロ作品など、まさにデッド百科的な項目を調べる際に力を発揮してくれる。また各曲の説明の後に作者がお勧めする演奏日が書かれているのも面白い(賛成・反対の意見はあると思うが)。
事実と作者の意見が混在しているように感じる箇所が若干あり、そこが個人的には少しだけ気に掛かる。しかし労作であることは間違いない。



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2010年12月16日 (木曜日)

Grateful Dead関連。さらに落穂拾いとして。

Grateful Dead関連。さらに落穂拾いとして。

Conversations With The Dead: The Grateful Dead Interview Book Author:David Gans

デヴィット・ガンスによるインタビュー集。オリジナルの発行は1991年。若干の追加を加えたアップデート版が2002年に発売。現在入手可能な物は、この2002年版である。
伝説の人、ベアーこと、オーガスタス・オーズリー・スタンレーのインタビューが読める点が最大のポイント。インタビューの収録時期が短期間のため、話として発見が少ないことと、個人的には質問の内容があまり面白くないという点で、個人的な評価はかなり低め。
ただ、いろいろな人物の発言が読めるという点と、詳細な脚注には発見が多いので、一見の価値はある。

Access All Areas: Backstage With the Grateful Dead  Author:Gary Lambert

1985年から1995年までのショーで使われたアクセスパス(バックステージパス)を集めた美しい画集のような1冊。
サブタイトルが全てを物語るように、ただただ、その当時のアクセスパスのデザインを紹介しただけの書籍なので、読み物としても、写真集としても、かなり中途半端なものではある。
ただ、こんなテーマだけで本を作ってしまうということ自体が、文化背景の深さを物語っているわけなので、資料度という点では、逆にポイントはかなり高いように思える。
書籍の作り自体も、高級絵本のような「佇まい」で、非常に美しい一冊。

Captain Trips : A Biography of Jerry Garcia  Author: Sandy Troy

ガルシアのバイオ本。出版は1994年。
はるか昔に、タワーレコードのワゴンセールで入手したもの。ほとんど期待してなかったが、コンパクトにまとまっていて、非常に読みやすい1冊。
「何かに似てるなあ、この読みやすさは」とずっと考えていたところ、ふと思い当たったのは、岩波ジュニア文庫。もちろん、低年齢向きのガルシア本ではないけれど、スイスイ読めるテンポの良さは、気持ちがいい。
探してまで買うほどでは無いと思うし、全体のなぞり方も非常に軽く軽くという感じなので、あらすじのようにガルシアの人生を辿るには、軽めの一冊といったところ。

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2010年12月13日 (月曜日)

Grateful Dead関連 落穂拾い的に

Grateful Dead関連 落穂拾い的に

The Grateful Dead Family Album Author: Jerilyn Lee Brandelius

発売は1989年と古いが、資料度としてはかなりポイントの高い1冊。
一言で言えば「雑記帳」もしくは「スクラップブック」のような構成で、全体のチープさのわりには、読み込むほどに発見の多い書籍でもある。
意外にも、エジプト音源が発売されるまで、多くを語られてこなかったエジプトツアーについても(実際音源と映像がリリースされても文字情報は相変わらず少ない)、かなり詳しく記載されており、この本の充実ぶりというか、一種の偏狭さには感心させられる。まためでたくDVD化され、映画の興行も行われた"Festival Express"についての記述や、この書籍でしかお目にかかれないその時の写真があって、まったく誰が誰のために出した書籍なのか?と、しばし途方に暮れるほどの驚きが詰まっているのも事実。
チープな印刷ながらも、全ページカラーで、珍しい写真も多いのでお勧め。ただ、一読しても何の話だか結局分からないページも沢山あるので(笑)、自分のマニア度を確認する上でも、結構手ごわい書籍かもしれない。

What a Long, Strange Trip The Stories Behind Every Grateful Dead Song 1965-1995   Author : Stephen Peters

デッドが歌ったほとんどの歌について、そのバックグランドを語った資料本。Dupree's Diamond Bluesのヒントとなった新聞記事は何か?Blues For Allahは誰に捧げられたものか?などなど、あらゆる情報が貴重な画像付き(!)で紹介されている。
知っているようで意外と知られていない情報が満載。まさに痒いところに手の届くような1冊。ちなみに歌詞は掲載されていないのが個人的には不便ながら、この本は歌詞を十分理解した上で楽しむことが、大前提の書籍なのかもしれない。
歌詞の解説本なのに全ページカラーという贅沢さが嬉しい1冊。

Between the Dark and Light: The Grateful Dead Photography of Jay Blakesberg 

デッド写真集。発行は2002年。
装丁、写真、レイアウト、そして添えられた文章に至るまで全てが美しい。まさに高級感ある美しい1冊。
デッドの全キャリアを網羅するものではないが、そこまで望むのはちょっと贅沢な話かもしれない。
序文の中でフィル・レッシュも言っているように、まさに音が聞こえてくる写真集である。お勧め。
2004年09月にペーパーバック版が出ました。

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2010年12月10日 (金曜日)

Grateful Dead関連の忘れがたいファン本を一冊

Grateful Dead関連の忘れがたいファン本を一冊

Dead to the Core: An Almanack of the Grateful Dead Author: Eric Wybenga

ブレアー・ジャクソンの"Goin' Down The Road"をオフィシャル寄りのファン本とすれば、こちらはアンオフィシャルなファン本と言ったところ。
バ ンドの写真もなければ、インタビューも無し。各ショーのセットリストも、ディスコグラフィも無しという徹底振り。一人のファンが手持ちの資料とテープを駆使してデッドの過去のショーをレビューし、各年の意義やそれが後にどう影響していったかを一人きりで延々と語るという、これまでありそうで無かった書籍。
全てが主観的で客観性が無いという点では資料性は限りなくゼロに近いが、突飛な意見は少なく、実に手堅く説得力のある説明なので、(それが若干くど過ぎる時もあるが)、読んでいて共感できる部分は多い。
中途半端にファン度が増すほどに、デッドに関する意見は極端になりがちだが、この本ではあくまで慎重で、いわゆる「それはちょっと」という極論は少ない。
誰もが一度は自前で作りかけた「デッドノート」の完成形がここにある、とまで言ったら誉めすぎだろうが、しかし労作である。
ただ、ショーレビューとセットリストについては、資料度としては価値はあまりないだろう。個人的には、このお手製風の徹底振りは好きだが、それにしてもこの本、売れなかっただろうなあ(笑)。
ちなみに、"The Taper's Compendium - Volume 2"の中で、87年のデッドとディランのリハーサル音源について、寄稿しているのはこの著者である。

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2010年12月 9日 (木曜日)

Grateful Deadのサポート部隊やマネージャーたちの内輪話をいくつか。

Grateful Deadのサポート部隊やマネージャーたちの内輪話をいくつか。

Living With the Dead: Twenty Years on the Bus With Garcia and the Grateful Dead  Author: Rock Scully

1965-1985年にかけてグレイトフル・デッドのマネージャーを務めたロック・スカリーによるデッド本。
極めて破滅的なマネージャーという先入観があったので、読み始めてから「案外まとも」な人ではないかという違った意味での驚きがある(共著なので、どこまで本人のペンかは疑問が残りますが)。
バ ンド前史(複雑な人間ドラマながら、どの書籍も極めて単調になりがちな部分ですね)が端折られいて、いきなり1965年のアシッドテストでの出会いからテンポ良く始まるので、すっとお話に入っていける。唯一の難点は、他の本ではお目にかかれないような難しい単語が何故かたくさん出てくること。大きめの辞書は必須です。
序章の72年ヨーロッパツアーでドイツの製造品博物館に(しかもサウンドチェック前に)メンバーと訪れるくだりは最高です。 各メンバーの性格がモロに伝わってくるし(予想通りみんなルーズで、誰も約束の時間に戻ってこない)、そのメンバーに真剣に腹を立てながら、閉館後の博物館を駆けずり回る著者の姿が目に浮ぶようです(結局最後に見つかったのは、とあるブツをうっとりと眺めるガルシアという落ちが)。
一歩間違えれば、キワモノ・暴露方面に行ってもおかしくない書籍ながら、著者のバンドに向ける視線が愛情深くてホッとさせられます。まだ最初の4章しか読めてないですが、後半に乱れたり息切れることがなければ、この本はお薦めです。
でもですね。とにかく単語が難しい。紙の辞書だったら、もう嫌になるくらい単語を引かされることは間違い無しです。

Home Before Daylight : My Life on the Road with the Grateful Dead  Author: Steve Parish, Joe Layden

グレイトフル・デッドのロードクルーの一人で、長年ジェリー・ガルシアの楽器を担当していた著者の回想記。

なんといえば良いのか?著者の 思い出した順にまさに回想記としか呼びようの無い世界が語られていく。書籍としては、それぞれのお話は年代順に並べられているのだが、デッド史とはあまり 関係の無いレベルで、親しかった友人の死や、クスリにまつわる体験、ヨーロッパツアー中の売春宿での大暴れなどの思い出話が次々と繰り出されてくる。
「ヘルズ・エンジェルだった友人の死」→「その友人の勧めだったバイクへの興味」→「紹介された伝説のバイカーにバイクを作ってもらうことになる」→「バイ カーとその愛犬のハードコアな隠遁生活」...。ある章の話はこんな感じで進んでいくが、この手法どこかで読んだことがあるとずっと思っていたら、そうだ 思い出した。向田邦子のエッセイと同じだ。まるで連想ゲームのように、ひとつの言葉がキーワードとなって別の言葉が呼び出され、エッセイの最後にはまるで 違う話のようになっていく(でも向田邦子の凄いところは、読み終わってから振り返るとひとつのテーマがきちんと語られているところだ)。
スティーヴ・パリッシュの場合は、前後の脈略が無く、単に思い出したままにいろんな話が語られているだけのような気もしないではないが、でもこうした回想録は貴重だ。なまじっか史実に基づいて有名な事件の裏話をしたり(それはそれで楽しいけれど)、デッドの音楽を自分の言葉で語ろうとしたりされるより は読んでいて楽しい。それに著者の人徳だろうか、何よりもこの本は肩がこらない。
読んでいて「アハハ面白いなあ。あれ?でもこの章はグレイトフル・デッドと全然関係ない話じゃないか」ということも多々あるけれど、なんとなくそれが許せてしまう。
献辞の中で、もうこの世にいない2人の子供と奥さんの名前が書かれていて、読み進んでいくと、彼女たちが亡くなった経緯が本書の中に詳しく書かれています。その時のバンドのメンバーたちの心優しい対応、そして、その時期ジャンキーと化していたジェリーの精一杯の姿には、複雑な悲しさがこみ上げてきます。ま た、夜通し働き続け、移動中のトラックで九死に一生を得た著者をホテルの部屋で出迎えたフィル(・レッシュ)の思いやりに溢れた言葉と態度には、思わずホ ロリとしてしまいます。
バンドとそのスタッフという上下関係ではなく、ファミリーの中にバンドとスタッフが同じ高さでいるということを実感させられる一冊です。

ところで、本書には映画化の話が一時あった。あの話、どうなったんだろう?

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2010年12月 8日 (水曜日)

Grateful Dead. The Illustrated Trip

Grateful Dead. The Illustrated Trip

もう1冊、Blair Jackson絡みで大事な書籍を忘れていました。以前どこかに書いたけれど、まさにこれ1冊あればOKな、Grateful Deadの一大絵巻物。年代順、日付ごとに膨大な写真で、その日にどんなことがあったのか?またその合間合間に、発売された書籍やCD、ビデオ類の紹介も忘れないという、手抜き感ゼロの決定版書籍。この書籍はプロジェクト形式でメンバーを組んで制作されたようですが、我らがBlair Jacksonもその一員でした。Blair Jackson、素晴らしすぎるぞ。
内容ですが、膨大な量の写真があるために、本文は読まずともパラパラとめくるだけで何時間でも時間が潰せるので、考えようによっては非英語圏のファンが最初に手に入れても良い一冊かもしれません。
しかしながら、残念なことに、現時点では入手が困難。一応日本アマゾンのリンクを以下に張りますが、結構なプレミア価格になると思われます。そのため、今入手するのであれば、米国アマゾンから中古販売で購入するのが割安かな?、20ドル以下でも大量に扱ってるしな~、と思い、よくよく見てみると。廉価なものは、どれも海外発送に対応していないですね。確かに、異様にでかく、異様に重い本なので、こんなの海外発送対応してたら、儲けがなくなりそうだし(Amazon中古販売は送料が固定のため、でかい本は売る方としては損ですからね)。
ちなみに、米国アマゾンからの中古本購入では、おおむね千円くらいの送料が別に掛かります。発送条件欄のInternet Shippingの文字に注意して、根気強く探してください。

ちなみに、元々の定価は50ドルでした。デラックスパッケージ版というのもあったように記憶していますが、詳細はちょっと忘れました。食指が動くほどの差異ではなかったように思います。装丁が豪華になるんだったかな?

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2010年12月 7日 (火曜日)

Grateful Deadに関する書籍(Blair Jackson関連)

Grateful Deadに関する書籍の中でも、Blair Jacksonは良い仕事をしている。

Garcia: An American Life   Author: Blair Jackson

ガルシアのバイオ本。発行は1999年。
丁寧な仕上がりにして作者の熱意を感じさせられる1冊。
ガルシアに関する伝記本ではあるけれど、当然ながらデッドに関する記載も多くある。
ボリューム的にもかなりの分量なのでデッドのオフィシャル本と同様、読破にはかなりの時間と体力が必要だろう。ただ、本当にGrateful Deadのことを知りたいのであれば、必ずや読んでおくべき一冊。
作者のブレアー・ジャクソンの文章は、ややこしい言い回しや妙なたとえが少ないので初心者にも読みやすい。また「あれはどうなの?」という点をきちんと押さえてくれているので、読後に妙な消化不良感を感じることも少ない。
非常に地味な作りの本なので、話に上ることは少ないが仕上がりは良い。初心者が初めて読む1冊としても、年季の入ったベテランが最後に読む1冊としても、安心して薦められる。
なお、作者のオフィシャルサイト(http://www.blairjackson.com/)では、編集時にカットされた素材も読むことが出来る。

Grateful Dead Gear: All the Band's Instruments, Sound Systems, And Recording Sessions, From 1965 to 1995
Author:Blair Jackson

Grateful Deadが活動期間中に使用した各種機材類を、写真と記事で紹介した一冊。
この書籍が出る数年前に、Beatles Gearという書籍が出ていたが(こちらは目出度く日本語化されていました。さすがはビートルズですね)、その流れで書籍化に成功したのではないだろうか。写真もキレイでなかなか楽しい。
しかしながら、個人的には、やはり漏れている楽器が多くあることと、各種機材のもっと詳細な写真を載せてほしかった、という不満はあります。でもこれはこれで楽しい一冊です。2006年の出版。

Goin' Down The Road: A Grateful Dead Traveling Companion  Author: Blair Jackson

こちら発行は1992年。もしかしたら、Blair Jacksonにとって、最初の書籍かも。
メンバー全員へのインタビューを中心に(何故かブレントのみ未収録、代わりのようにドナ(!)とロバート・ハンターへのインタビューが収録されている)、ニール・キャサディに関する記事(表題「カウボーイ・ニールとは一体何者だったのか」)、デッドのカバーソングの全曲ルーツ解説、お勧めのテープとショーの日時などなど、かなり充実した内容。
いつも思うが、ブレア・ジャクソンの質問は的を得ていて読んでいても楽しい。「そうそう、そういう質問して欲しかった」という箇所に何度も出くわしたのが嬉しい(単に自分と似ているだけ?)。
ただ、どんなにつっこんだ質問をしていても(例えばドナに対して、「バンドを辞めた理由はあなたが音を外しすぎるからとフィルが言っていたが?」、「結果として自分たちから辞めたのか、辞めさせられたのか?」という強烈な質問など)、その質問が芸能記事のような、下世話な感を読み手に与えないのは、ひとえにデッドに対する愛情の深さと、膨大な知識のおかげだろう。まったくもって安心して読んでいられる一冊。

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