« ボールエンド付きナイロン弦の話 | トップページ | 働く男/星野 源 »

2013年7月 6日 (土曜日)

Stranger by 星野源

Stranger by 星野源

音楽というものの中には、初めて聴いた瞬間から心を鷲づかみにされるものもあれば、何度もくり返し聴き続けることでその素晴らしさから離れられなくなるものもある。
星野源というアーティストの名は雑誌や音楽記事で、その名前を知ってはいたけれど、実際に曲を聴いたのは、YouTubeの「知らない」のPVを見た時が初めてだった。てっきり堅物そうな名前から、もっと小難しそうな音楽をやる人だと、勝手に思い込んでいたので、「知らない」の持つ朴訥とした曲調に、意外な感じを受けたことだけは覚えている。

その時点では、心を持っていかれるような感動は無かった。「あれ?こんなシンプルな曲を歌っている人だったのか」と思っただけだった。「まあ、アルバムでも聴いてみるか」と、あまり深い感慨もなく、手に入れた「Stranger」アルバムも、聴き始めて数日は、「ふーん」という感じだった。

決して、分かりにくいアルバムでは無いはずなんだけれど、アルバム全体を30回ほど聴いた頃になって(iTunesって、こうやって再生回数とかがすぐに分かって便利ですね)、「ああ、これはすごく良いかもしれない」と思い始めて(まあそれに、30回も繰り返して聴ける時点で、アルバムとしての完成度は高いわけであって)、シングル盤や、過去のアルバム、書籍類の買い増しに至ったわけである(インターネット的に言えば、『←今ココ』という感じ)。

シンプルに見えて意外に複雑なコード感(メロディやコード進行自体は、極めて普通なのだけれど、部分的に充てられるコードがとても不思議)、誰に向けられたわけでもない不思議な歌詞世界、CDシングル初回盤に付いてくるDVD類の過剰なサービス精神(そのくせ、インターネット上や書籍から読みとれる『分かってもらえなくていいから』という過剰なまでの疎外感)。いやいや、面白い。個人的にツボにハマったいくつかのポイントは、もっと細々とあるのだろうけれど、とりあえず、まだ星野源という人にハマっていない人には、「知らない」の初回限定シングルと、「Stranger」アルバムを急いで入手して、折にふれて聴き続けてほしいということだ。

前作以前からのファンの人には、「おせえよ」と言われそうではあるが、まあそれはそれでしょうがない。「だって、こんなに名前の割に地味な人なんて、気が付かないですよ、普通」とだけ、言い返しておこう。負け惜しみの代わりとして。


|

« ボールエンド付きナイロン弦の話 | トップページ | 働く男/星野 源 »

聴いた音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ボールエンド付きナイロン弦の話 | トップページ | 働く男/星野 源 »