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2011年12月12日 (月曜日)

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ/デイヴィッド・ミーアマン・スコット

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ
デイヴィッド・ミーアマン・スコット

原著を紹介した折にも抱いた感想だが、改めて感じたことは、果たしてこの著者自身はデッドヘッズ(バンドの熱心なファン)なのだろうか?という点である。
バンドのファンであれば、格別目新しい発見の少ない書籍であり、いわゆるメインストリートの(世間常識的な)人たちから見たときに、異端児(アウトロー)とも思える方法が、不況であえぐ今の状況では、かえって目新しく見えるのではないか?というアプローチに立った書籍だと、個人的には思っている。

ただ、非常に意地悪な考え方をすれば、本書の中で取り上げられている新しい売り方(マーケティング)については、皮肉なことにも、この日本語版書籍は全く実践できていないように思えるということである。
「中間業者を利用しない」「無料のコンテンツを利用して有料のサービスへ誘う」「ファンを巻き込む」などをせっかく紹介しているのに、旧態依然とした紙の媒体で価格の選択もなく、書店で入手する以外に選択肢がない方法で販売するというやり方は、本書の内容を理解した上での判断であろうか?と、首を捻る部分が多い。これは新しいマーケティングを提案する書籍自体が、実際は古いマーケティングに乗っかっているという実に皮肉な結果となっているように思える。(電子書籍化、廉価版の販売、既存のファンを取り込んだ宣伝など、やり方はあるように思えるが)

翻訳書は高くなりがちである。ただその状況の中でも、いま少し安く書籍を配布するような方法は見出せなかったのだろうか?という疑問が残り、グレイトフル・デッドが本格的に商売道具に成り下がったような微妙な後味を感じさせる1冊である。


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