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2011年2月24日 (木曜日)

at Home/本多 孝好

at Home
本多 孝好

2010年10月発売の短編集。

それぞれの家族や社会からはみ出した末に、寄り集まった擬似家族の5人組。犯罪集団として日々をすごしながらも、どこか暢気で平和な日々に大きな事件が起こる表題作。

結婚した相手の連れ子との平和で幸せな日々。その子の本当の親との滑稽でいて、どこか身につまされるやり取りの「日曜日のヤドカリ」。

妻と別れ、子供を亡くし、生きる希望も何も無い男が、金を借りていたヤクザに押し付けられた偽装結婚の相手。言葉も通じず、情も通わぬ中で、過去のどこで間違えたのか?よみがえってくる記憶と現実の日々の「リバイバル」。

子供時代に出て行った父、一人で犬屋敷と化した家に住む母、美貌ながら情緒不安定な妹とその子供、しっかり者のはずなのにどこか頼りなく心もとない僕、それぞれがバラバラになりながらも、それぞれの家族を守りながら、妹を巡る出来事で、一つの救出劇に集結する本当の家族の姿の「共犯者たち」。

いずれの作品で描かれる家族も、一度は終わってしまい、離れ離れになったことで、全ての登場人物が宙ぶらりんな状態にいるように思える。ただ、いずれの作品もその事件の後で、少しだけ結束を強め、以前よりは明るい方向に進んでいるような、そうした暖かさのようなものが残る。

良いことはあまり起こらず、悪いことを何とか過ごした後で、「希望」とまでは呼べないけれど、少しだけ「マシ」な方に主人公が踏み出していくという、それが本多孝好の世界観なのだろう。
この人の作品は、いつも読後が少しだけ暖かい。


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投稿: 藍色 | 2012年10月 9日 (火曜日) 16時00分

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