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2011年1月 9日 (日曜日)

Summer of '89 対訳の解説

Summer of '89 対訳の解説

いい曲ですね。こういう物語調で、流れがある曲は訳していても楽しいものです。
今回は少し意訳が多めです。

We hiked the Long Trail to a spring

the Long Trail とは調べてみると固有名詞の地名でした。ヴァーモント州にあるハイキング用の道のようです。規模はかなり巨大なようで、日本のハイキングコースとは様子が異なるんでしょうね。

Our eyes were bright/But our smiles were worn

「僕らの瞳は輝いていた でも僕らの笑顔はくたびれていた」というのが大意ですが、なかなか言い回しが面白いですね。

We were driving blind

blindが難しいですね。「闇雲に走り回った」「あても無く走り続けた」辺りの意味でしょう。

No clue where we'd arrive

このClueはなんでしょう。clueの意味は「手がかり」「ヒント」。
「僕たちがたどり着いた場所に手がかり(ヒント)は無かった」というのが大意です。まあ拡大解釈かもしれませんが、「人生における答え」のようなもの、「生きるヒント」のようなものと理解して、ここでは訳しています。

Life changes, time presses on/It seems each year goes faster than the last

「人生は変わる 時間は流れていく/それぞれの年がその前の年よりも速く過ぎていく」
面白いですね。年々、一年が速く過ぎてしまうと思う気持ち。年を重ねるごとに感じる気持ちです。そういう、当たり前のような時間の感じ方がここではうまく書き出せていると思えます。

The days are full/But they're not our own

fullをどう解釈するのか?、迷いましたが、dayに対するfullは、「忙しい日々/用事でふさがっている状態」と考えました。That's a full dayが「忙しい一日」という意味なので、そこからの解釈です。

We shared one small room/And a bed and a chair

意味はすぐに取れますが、訳しにくい部分でもあります。補足のように、「ひとつきりのベッドも ひとつきりの椅子も」と、少しくどいくらいに訳しています。

I closed my eyes/You touch my hand/You smile/And I'm there

難しい箇所です。closeだけが何故過去形なんだろう?それを少し考える必要があると思います。日本語は過去形と現在形を連続する文章中に混在させても、あまり違和感の発生しにくい言語です。だからといって、過去形、現在形の混在した英文を、そのまま訳しても、日本語には一見、乗ってしまったように見えます。でも、そういうときは、どこかで意味が取り損なっている可能性があると思います。注意が必要でしょう。
ここでは、目を閉じた過去の自分と、今もそばに居てくれる現在の君が僕の手に触れる瞬間、過去と現在がシンクロをしているのだと思いました。訳はこうです。「あの日の僕が目を閉じると/今の君が僕の手に触れる」。少し説明が過ぎるように思えます。ただ、今の私の語彙力ではこの辺が限界です。あまり意訳が過ぎるのも好きではありません。改善の余地はあると思いますが。

モノローグのようなこうした曲が、さりげなく1stセットで演奏された今回の夏のツアー。Phishの充実振りが、こうした曲からもうかがえると思います。

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コメント

PHISHというかTrey Anastasioの曲について
このようにブログで書いている人はなかなかいないので
とてもありがたいし、助かります。

で、Summer of '89
2010年のPHISHの新たな曲としては
この曲とShow of Lifeが代表されますね。
どちらもTom Marshallが関わっていないというのが新展開のような。
どうもTreyが書く歌詞は直接的な言葉が多い傾向にある気がします。
Summer of '89はAmanda Greenと書いた数曲のうちのひとつなのですが
歌詞はおそらくTreyが書いたものだと想像出来ます。
調べていないので正確なことは分かりませんが
Treyの奥さんとのことなのでしょうね。
こういう歌詞を歌うというのも
PHISHも若くはないんだなあと改めて感じるところです。

投稿: MINAWA | 2011年1月10日 (月曜日) 23時28分

MINAWAさん

ここ数年はなんだか、青臭いというか、ほろずっぱいような、角の取れた作品が多いように思えますね。私もこの曲を訳していて、95年は子供が生まれたとあるので、Treyの最初の子供は何年に生まれたかな?とちらりと思っていました。どこかでまた調べておきたいです。

このSummer of '89は夏場のジョギング時に良く聞いていたShowの音源に入っていて(6月18日の音源)、のんびり走りながら歌詞を聞き取っていたのですが、細部が聞き取れず、分からなかったので、一度どこかで訳しておきたいなと、思ってました。

Show Of Lifeは機会があれば訳してみます。トム・マーシャルが関わっていないというのは、気が付かなかったです。情報感謝です。

でもまあ、とりあえずは、初期のワケの分からない時期も訳し始めたいので、しばし行ったり来たりしようと思います。

投稿: asaden | 2011年1月12日 (水曜日) 12時29分

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