« 舌の根も乾かぬうちに | トップページ | クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2010 »

2011年1月14日 (金曜日)

Show of Life 対訳の解説

Show of Life 対訳の解説

Phishのスペシャリストと言っても、どこからも異論は出てこないであろうMINAWAさんから、Goneとこの曲の類似性について、レスがありました。なるほど。

個人的には、この曲を初めて聞いたときに思ったのは、これはまるでJourneyのFaithfullyじゃないか?ということです。ショーやツアーを人生に重ねる歌詞の内容もなんとなく似ているように思えて、「あれあれ?Treyどうしてしまったの?」という感じです。

ざっと見ていきましょう。

(It's no easy road/this struggle and strife)

大意は「たやすい道ではない/こんなイザコザや、争いごとがある」ですね。
イザコザと争いごとが、ツアーの道中の話なのか、それとも暴力にあふれた日常の話なのか、これだけでは読み取れません。どちらと決め付ける必要もないので、ややぼんやりと訳しておきました。

(We find ourselves in the show of life)

「僕たちは人生というショーの中に、自分たちがいることに気づいた」ですね。まあ有り勝ちなフレーズではありますが、これがこの曲のテーマでしょう。

(What's on the schedule/What's on your plan)

ここ良いですね。「スケジュールはどうなの?君のプランはどうなっているの?」、いきなり「君」が出てきますが、聞き手に対する問いかけですね。この「プラン」は、人生における計画とか、将来の夢とか、そうしたものでしょう。このまま「プラン」と訳しておきます。

(Do you ever ignore/What you don't understand)

「以前に無視したことあるよね?自分には理解できないことを」が大意ですね。ここでは当初「見えないふりをした」と訳そうと思いました。ただ、実は唄の後半で、the blind(目の見えない人)が出てくるため、この部分で「見えないふり」とするのは、対訳だけ読むと、この部分と後半につながりがあるのか?と思われてしまい、あまりよろしくないようにも思えます。
少しだけニュアンスを変えるために、「見て見ぬふり」にしました。英語の授業ではここは「無視する」となるのでしょうが、日本語の「無視」とは少しニュアンスが違うような気がしました。まあいずれにせよ、この辺は日本語の問題ですね。

(Don't ask me 'cause I don't know/I just fasten my seat belt wherever I go)

「僕に聞かないで。だって僕には分からないから」と言ってます。そして次が面白い。「僕はシートベルトを締めるだけ。どこに行くにせよ」。なんでしょうね。この不思議な決意表明は。

(It's been perfectly planned/it's completely insane
 it's a revolving cast/but it's the same old game)

今回一番難しかった箇所です。大意は次のとおりです。「それは完璧に計画されていて、それは完全に正気じゃない。それは入れ替わりのキャストで、それは同じ古いゲーム」。まるで謎々のようですね。
用語のうち、頭を捻ったのはrevolving castという言葉。revolvingは「回転する」という意味ですが、ここでは「入れ替わり立ち替わり登場する」の意味でしょう。castはオールスターキャストの「キャスト」です。イメージとしては、例えばドラムとベースが固定で、ギターだけがゲストのようにくるくると入れ替わって演奏している状態を想像してもらえれば良いと思います。ただ、それに当たる日本語が思い浮かびませんでした。「日替わり客演?」、うーん?とりあえずここでは、「入れ替わり立ち代りの出演者」としています。全くベタベタな訳ですが、まあ力不足ということで。

(Shine for a while/It's a marvelous show)

Treyのソロアルバムのタイトルでもある「Shine」が出てきましたね。訳として「光」をあてましたが、もう少し良い言葉はないかな?と思います。
It's a marvelous show。「とても素晴らしいショーだ」、もちろん、この唄のタイトルどおり、Show=Lifeです。「とても素晴らしいショーであり、とても素晴らしい人生だ」と歌っています。

(I'd like to take this time to thank you all)

個人的に、「あれ?」っと思ったのはここですね。「Trey、どうしちゃったの?まるで人生上がっちゃったみたいだよ?」と、歌われている言葉とは裏腹に逆に心配になりました。なんだかこの部分、「みんなありがとう、愛してます」という感じですよね?Phishって、そんなメッセージ性のあるバンドだったっけ?って思いました。

(Just as the blind imagine/what it is to have sight)

訳しにくいですね。the blind、the+形容詞なので、「目の見えない人」ですね。日本語ではおなじみの「目の不自由な人」という言葉ですが、私はあまりあの言葉が好きになれないので、味気ないですが「盲人」という訳語にしています。以前、Grateful DeadのComes A Timeという歌詞を訳した折に、やはりblind manが登場してきて、その時は、「盲(めし)いた男」という訳語を使いました。ただこれだと、少し固すぎます。いずれにせよ、この分野、とても言葉が使いにくい上に、用語が貧相になっていることが残念です。
大意はこんな感じです。「目の見えない人が想像しているように/視力を持つということはどういうことだろう?」
sightが非常に訳しにくいです。「視力・視界・視野・景色・眺め」。ただ意味は「見えているということを考え直してみたい」ということでしょう。なかなか訳しにくい箇所です。

それにしても、なんとポジティブな曲なんでしょう。ショーやツアーを唄にした他のアーティストの曲も何曲か思い出しますが、この手の曲はアーティストがある程度の評価を勝ち取った後で、自分の現在の立ち位置を確認するかのように作られる歌のような気がします。良くも悪くも。Trey、本当に大丈夫かな?(笑)

|

« 舌の根も乾かぬうちに | トップページ | クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2010 »

歌詞対訳」カテゴリの記事

コメント

きました、2010年最重要曲。
この曲、歌詞はSteve Pollak
The Dude of Lifeという名前だった人。
トレイとは高校時代からの友人で
初期PHISHのステージにも何度も
一緒に出たりした人で
PHISHをバックにしてアルバムも出したし
何曲かのPHISHの曲の歌詞も書いてます。

現在は学校の先生になっているそうです。

これはローリングストーンに出ていたのですが2009年12月にトレイとスティーブが一緒に食事した時に、いくつかの歌詞を持っているというので、その場で一緒に曲を作った、と。

ツアー生活を過ごしていないはずのスティーブがこの歌詞を書いているのが面白いかな。まるでトレイが書いたように読めます。

なんだかとても気になったので1年ぐらい前に翻訳サイトや辞書を使って歌詞を調べてみました。なんだか馴染みの無い単語も多かったので。

I'd like to take this time to thank you all

この部分、とってもストレートですね。
昨年の2月末にトレイバンドを観に行った時にアンコールでこの曲を演奏していたのですが、観客はしらけてました、この曲なんだ?って感じで。この歌詞のところなんかは大歓声になるかなと思っていたんですけどね。

その後にPHISHで何度も演奏したから、だんだんとファンにも認識されていればいいのですが。

なんだか老境というのかな
それだけ長いってことですかね。

投稿: MINAWA | 2011年1月15日 (土曜日) 17時21分

MINAWAさん

解説をありがとうございます。
そうなんですよ、ずいぶんと懐かしい名前がクレジットにあったので、あれ?って思ったのですが、そうですか、The Dude of Lifeが全面的に歌詞を書いていましたか。Treyと半々くらいかな?と思っていましたが。それはそれで面白いなあ。

>I'd like to take this time to thank you all
>この部分、とってもストレートですね。

ちょっと「おいおい」と思いますよね。お客がしらけてしまったのも分からないではないです。DeadにもKeep Your Day Jobという、「なんだよ、お説教かよ?」という内容の曲があって、これがアンコールで演奏されるとお客がさっさと帰ったという話をよく聞きます。
あまりに当たり前の正論をJam BandのShowになんて、誰も求めてないよ、もうちょっと捻れよ、ということでしょうかね。

次は薬中モードだったTreyにTomが送ったというBackwardを訳そうと考えてましたが、少し調べたいことが多くなってきたので、間を空けてから訳そうと思ってます。またいろいろ教えてください。

投稿: asaden | 2011年1月15日 (土曜日) 18時14分

曲の歌詞に対してしらけてたというよりも新曲には興味が無いという感じでした。

まあ、どんなベテランバンドも往年の代表作は喜ばれるけれど新しい曲というものは、なかなかファンは受け入れないもので。

Time Turns Elasticなどは大傑作だと思うのですけどね、実際に会場に行った友人の話では多くの人は静かになってしまうという寂しい現状のようです。

投稿: MINAWA | 2011年1月15日 (土曜日) 23時53分

MINAWAさん

なるほど、あまり知らない曲だから、静まってしまうということでしたか。

Time Turns Elasticは演奏するには、かなり壮大な作品ですが、ワッと盛り上がる箇所がないために、少し分が悪いかもしれないですね。どちらかというと、ジワジワと盛り上がっていく感じですからね。
あの曲は、確かにTreyの超大作。でもお客がそれほど沸かないというのは、気の毒なような、まあそれもショーの面白さというか。

投稿: asaden | 2011年1月16日 (日曜日) 17時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/25669/50575911

この記事へのトラックバック一覧です: Show of Life 対訳の解説:

« 舌の根も乾かぬうちに | トップページ | クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2010 »