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2011年1月15日 (土曜日)

Joy 対訳の解説。

Joy 対訳の解説。

まだPhishの作品を俯瞰的に語れるほどには、全ての作品の歌詞を読み込んではいないけれど、ここ数年の歌詞には、かってほどの遊びの要素が消え、語り掛けや、思い出のような曲が増えてきたように思えます。
また、すでに訳したGoneや、Show of Lifeのように、物事を正面から受け止めて、人生を前向きに捉えようという曲が、ベースにあるのじゃないかな?と思っています。そうしたきっかけのようなものを、最初に感じたのはこの曲を聴いたときでした。2009年発売のアルバムJoyのタイトル曲。

(Joy is over there in her incredible clothes)

いきなり訳しにくい言葉です。Joy。これに当たる日本語が思いつきません。辞書的には「喜び・歓喜・楽しみ」、しかしどれもうまくフィットしません。もうここはやや反則ではありますが、「ジョイ」とカタカナをあてています。

実はこの曲。部分部分の意味は取れるのですが、この最初の節に出てくるSheが良く分からなかったのです。というのは、この後、曲中では語りかけはすべてYou(=Joy)に対する唄になります。SheとYouの関係は何だろう?
彼女のIncredibleな衣装の下にあるJoy。Little Dancerでもあり、Eventuallyに成長する彼女。彼女は2節以降、どこに行ったのでしょうか?
私の答えは、Sheの中にいるJoy、それはつまり、彼女のお腹の中にいる生まれてくる子供のことではないだろうか、ということです。
Sheは母親であり、主人公(僕)の妻(パートナー)、そしてJoy(You)は生まれてくるわが子。そう考えれば、なんとなく辻褄が合っているように思えます。まあ、あくまで個人的な考えですが。では続けます。

(“Lets throw it away and just go for a ride”/And you'd say “ok” but you'd keep it inside)

なんだか片思いな感じですよね。もどかしいほどに思いが届かない感じです。
「そんなものは捨ててしまって、ドライブに行こうよ」「そしたら君はOKって、でもそんなものを自分の中に仕舞い込んだままで」

そんなやるせなさが次の「I tried」の繰り返しに出ていると思います。ここも訳しにくい。「試みる・やってみる・頑張る」。ちょっと弱い訳ですが、少年の恋心と思えたので、拙い言葉として「頑張った」としています。訳としては弱いですね。

(We want you to be happy/Cause this is your song too)

サビの最終行ですが、どうでしょう?個人的にはこれを読んで、「すごい直球勝負だなあ」と思いました。「僕たちは君に幸せになって欲しい/だからこの曲は君のための曲なんだ」という問いかけ。恋というよりは、親から子への愛に近い感情ですね。簡単なようでいて、ここまでストレートに歌うのは難しいだろうなあと思います。良いフレーズですね。

(That time is a river that flows through the woods/And it lead us to places we both understood)

面白い一節ですね。大意は「あの時間は川のようなもの、森を抜けて流れていく/そしてその流れは僕たちを、僕たちが理解される場所へと運んでくれる」。あの時間(時代)がどんなものであったのか?、多くは語られていないように思います。曲中のどの部分を指すのか?あるいはそもそも曲中では語られていないのか?やや判断の難しい場所です。ただ、おそらくはそうした過去の時間が、自分たちを分かってくれる場所へと導いてくれるという部分に、心が打たれます。そして続く一節がこれです。

(Would be gone/Before too long)

そうした場所に導かれることは運命なんだと、「行かなければ」と、そしてそれは「それほど遠い話ではない」と、ここで歌われています。
個人的には、この曲のキモはこの部分ではないかな?と思っています。

ここから先、平凡な人生、パズルの中のひとつに過ぎない人生、それを乗り越えていけと言わんばかりの後半の展開は、対訳を参照ください。特に解説は不要と思います。
単純な恋の歌ではなく、自分たちの子供たちに、これから先に起こる悲しみや試練を超えていけという励ましの歌だなと、個人的にはそう思っています。

(※追記) アルバムJoyの発売当時の各所のレビューで、このタイトル曲はTreyの闘病中のお姉さんに捧げられた曲だよ、という指摘を頂戴しました。確かにいくつかのレビュー記事で、「We want you to be happy/Don't live inside the gloom」の箇所を引用して、お姉さんに捧げられた曲だとの解説がありました。そうなのか。なるほどと納得しながらも、1点疑問なのは、肉体的に重い病を患った人に、「君には幸せになって欲しい、暗がりにいちゃ駄目だ、部屋を出るんだ」という言葉はどうなんだろうか?というのがやや腑に落ちかねる部分です。あとお姉さんがこの歌の中のSheなのかYouなのか?という点も、いま少し考えなきゃいけないなと思います。まあ、このあたりはまだまだ熟考の余地がありますね。指摘感謝です。(1月15日追記)


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コメント

この曲も歌詞が重要だと思い、少しだけ辞書を引いてみた曲です。

姉への思いで書いた、それだけじゃなく、やはり子供についての思いも入っているような内容になっていますね。

耳に残る歌詞がBilly Breathesを思い出させてくれます。こっちは子供の誕生で書いたという曲なので、とても近しい感覚になります。

って、すいません、毎回たくさん書いてしまいまして。

投稿: MINAWA | 2011年1月15日 (土曜日) 23時59分

MINAWAさん

>すいません、毎回たくさん書いてしまいまして。

いえいえ、いろいろな話が聞けたほうが、その作品を考え直すきっかけになります。お気遣い無く。どんどん書いてください。

Joyはもう少し、ゆっくり調べなおした方がいいかな?と今は思っています。おそらくはどこかで訳し損ねているかな?という予感のようなものがするのです。全体をざっと読むと、話が一貫していないような感じですね。まあ、頭の片隅でぼんやりと考え続けるようにします。

投稿: asaden | 2011年1月16日 (日曜日) 17時53分

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