« Grateful DeadのDVDについて語るつもりが。 | トップページ | ノラ・ジョーンズの自由時間 »

2010年12月 9日 (木曜日)

Grateful Deadのサポート部隊やマネージャーたちの内輪話をいくつか。

Grateful Deadのサポート部隊やマネージャーたちの内輪話をいくつか。

Living With the Dead: Twenty Years on the Bus With Garcia and the Grateful Dead  Author: Rock Scully

1965-1985年にかけてグレイトフル・デッドのマネージャーを務めたロック・スカリーによるデッド本。
極めて破滅的なマネージャーという先入観があったので、読み始めてから「案外まとも」な人ではないかという違った意味での驚きがある(共著なので、どこまで本人のペンかは疑問が残りますが)。
バ ンド前史(複雑な人間ドラマながら、どの書籍も極めて単調になりがちな部分ですね)が端折られいて、いきなり1965年のアシッドテストでの出会いからテンポ良く始まるので、すっとお話に入っていける。唯一の難点は、他の本ではお目にかかれないような難しい単語が何故かたくさん出てくること。大きめの辞書は必須です。
序章の72年ヨーロッパツアーでドイツの製造品博物館に(しかもサウンドチェック前に)メンバーと訪れるくだりは最高です。 各メンバーの性格がモロに伝わってくるし(予想通りみんなルーズで、誰も約束の時間に戻ってこない)、そのメンバーに真剣に腹を立てながら、閉館後の博物館を駆けずり回る著者の姿が目に浮ぶようです(結局最後に見つかったのは、とあるブツをうっとりと眺めるガルシアという落ちが)。
一歩間違えれば、キワモノ・暴露方面に行ってもおかしくない書籍ながら、著者のバンドに向ける視線が愛情深くてホッとさせられます。まだ最初の4章しか読めてないですが、後半に乱れたり息切れることがなければ、この本はお薦めです。
でもですね。とにかく単語が難しい。紙の辞書だったら、もう嫌になるくらい単語を引かされることは間違い無しです。

Home Before Daylight : My Life on the Road with the Grateful Dead  Author: Steve Parish, Joe Layden

グレイトフル・デッドのロードクルーの一人で、長年ジェリー・ガルシアの楽器を担当していた著者の回想記。

なんといえば良いのか?著者の 思い出した順にまさに回想記としか呼びようの無い世界が語られていく。書籍としては、それぞれのお話は年代順に並べられているのだが、デッド史とはあまり 関係の無いレベルで、親しかった友人の死や、クスリにまつわる体験、ヨーロッパツアー中の売春宿での大暴れなどの思い出話が次々と繰り出されてくる。
「ヘルズ・エンジェルだった友人の死」→「その友人の勧めだったバイクへの興味」→「紹介された伝説のバイカーにバイクを作ってもらうことになる」→「バイ カーとその愛犬のハードコアな隠遁生活」...。ある章の話はこんな感じで進んでいくが、この手法どこかで読んだことがあるとずっと思っていたら、そうだ 思い出した。向田邦子のエッセイと同じだ。まるで連想ゲームのように、ひとつの言葉がキーワードとなって別の言葉が呼び出され、エッセイの最後にはまるで 違う話のようになっていく(でも向田邦子の凄いところは、読み終わってから振り返るとひとつのテーマがきちんと語られているところだ)。
スティーヴ・パリッシュの場合は、前後の脈略が無く、単に思い出したままにいろんな話が語られているだけのような気もしないではないが、でもこうした回想録は貴重だ。なまじっか史実に基づいて有名な事件の裏話をしたり(それはそれで楽しいけれど)、デッドの音楽を自分の言葉で語ろうとしたりされるより は読んでいて楽しい。それに著者の人徳だろうか、何よりもこの本は肩がこらない。
読んでいて「アハハ面白いなあ。あれ?でもこの章はグレイトフル・デッドと全然関係ない話じゃないか」ということも多々あるけれど、なんとなくそれが許せてしまう。
献辞の中で、もうこの世にいない2人の子供と奥さんの名前が書かれていて、読み進んでいくと、彼女たちが亡くなった経緯が本書の中に詳しく書かれています。その時のバンドのメンバーたちの心優しい対応、そして、その時期ジャンキーと化していたジェリーの精一杯の姿には、複雑な悲しさがこみ上げてきます。ま た、夜通し働き続け、移動中のトラックで九死に一生を得た著者をホテルの部屋で出迎えたフィル(・レッシュ)の思いやりに溢れた言葉と態度には、思わずホ ロリとしてしまいます。
バンドとそのスタッフという上下関係ではなく、ファミリーの中にバンドとスタッフが同じ高さでいるということを実感させられる一冊です。

ところで、本書には映画化の話が一時あった。あの話、どうなったんだろう?

|

« Grateful DeadのDVDについて語るつもりが。 | トップページ | ノラ・ジョーンズの自由時間 »

グレイトフルデッド書籍紹介」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/25669/50264319

この記事へのトラックバック一覧です: Grateful Deadのサポート部隊やマネージャーたちの内輪話をいくつか。:

« Grateful DeadのDVDについて語るつもりが。 | トップページ | ノラ・ジョーンズの自由時間 »