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2005年11月12日 (土曜日)

ボブ・ディラン自伝

「ボブ・ディラン自伝」
BDBIO

どうも発売当時の書評がどれも、「話があっちこっちに行く」とか、「どの時代の話だかわからなくなる」とか書かれていたので、きっと散文的な文章なんだろうなと思っていたけれど、いやはやとんでもない。やたらと具体的で写実的な上に、話の運びも理路整然としていて(ディラン的な理路整然ではあるけれど)、すごく面白い。

最初の契約を交わした頃、バイク事故の後の隠遁生活、トム・ペティとのツアーから"Oh Mercy"の製作の頃。ニューヨークに出てきた頃。話は確かに相前後するが、決して散文的なものではない。やたらと具体的な話ばかり。

個人的にはすっかりと自信をなくし、引退を考えながらも、新しい演奏スタイルの発見に狂喜し(しかしすぐに自信をなくしたり、取り戻したりを繰り返す)、後のNever Ending Tourのきっかけをつかむ頃が書かれた第4章が面白い。ラノワとの強い緊張感の中で、アルバム製作を続け、何度か頓挫しそうになりながら、最後には高いテンションの作品を作るくだりは、なかなかに感動的。

しかしこの親父の音楽の知識、半端ではない。この本に出てきた他の人のアルバムや曲を集めたコンピアルバムがドイツだかフランスだかで出ているとの噂を聞いたけど、確かにそういうのが日本でも出てほしいです。
めまいがするほどの情報量が詰まっていて、しかも新発見がそこかしこに溢れかえった本です。

アメリカで50万部売れたのも納得。さて、日本ではどうでしょうね?
個人的にはお勧めです。

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コメント

いつも本やに行くたびに、
手にとっては悩んで、まだ買っていません。
面白いんだ・・・読んでみようかな。

でもこの表紙いつもぱっと見ると、
大阪のグリコの橋の写真に見えてしまいます(笑)

投稿: ホソケン | 2005年11月13日 (日曜日) 17時33分

え?この表紙は、ディランからのたっての要望
によって、大阪の道頓堀川の画像をコラージ
ュして作ったというのは、結構有名な話です
よね?

というのは冗談ですが。
実は僕も同じことを考えていました。

みうらじゅんあたりが、自伝を出すときはきっと
左手にグリコのマークが見えることでしょう。

投稿: asaden | 2005年11月13日 (日曜日) 21時28分

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