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2005年2月 6日 (日曜日)

熟語本位 英和中辞典

「熟語本位 英和中辞典」 斎藤秀三郎 著

以前ある場所で、「一つの英単語に、あたかも一つの日本語の言葉があるように教えられた、英語教育の弊害」と書きましたが、その弊害に気付かされたのは、この辞書を読んだおかげです。確か昭和8年頃の出版で、その後も絶版になることなく売られ続けている恐るべき英和辞書です。(書店の辞書コーナーで目にすることは、少なくなってきましたが、もし見かけたら、是非立ち読みをお勧めします)

本来、辞書というのは旬のものです。ですから、余程いいかげんなところから出版されていない限り、新しくて大きな辞書を買っておけば、まずは間違いありません。しかし、唯一この辞書だけは例外です。何が凄いのか?それは英語の言葉が持つ本来の意味やら概念やらを、それに充たる日本人の概念に置き換えてから、日本の言葉に代えるという作業を著者が行っているからです。この著者の英語の理解力の凄さは、まさに身震いがするほどです。もちろん、今となってはまったく役に立たない記述も多数存在します。しかしその部分を差し引いたとしても、まさにワン&オンリーな世界。英和辞書ファン(笑)ならば、一冊是非もっておきましょう。5千円以内で買えるし、この辞書はもう買い換える必要がないから、一生モノです。

ちなみに、表記はすべて旧かな遣いです。旧かな遣いは苦手という人には、新かな版が日外アソシエーツから出ています(ただし和英です)。こちらは7千円くらいしますが、ページ全体が妙に明るくて、それはそれで良いことなのですが、個人的にはちょっと違和感があります(笑)。

で、この辞書に欠点があるとすれば、あまりに訳語が強烈過ぎて、そのままでは自分が翻訳するときには使えないということです。つまり翻訳という実際の作業には、まったく役にたたないということです(笑)。僕はもっぱら翻訳に疲れたり(笑)、大きな壁を感じたときに、励みのように読んでいました。まさに読むための辞書。英単語の1つずつが持つ世界観を確認するには、今でもこの辞書しか無いと思います。
お勧めです。


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コメント

自己レスですが、amazonの書評レビューに、こんな記述があって笑ってしまいました。以下、勝手に引用します。
「現在は使われなくなった古い漢字、仮名表記でかかれているので、読みづらい。抜け落ちている単語や、単語の意味の説明が古いものもいくつかある。辞書は最新のものを買うことをお勧めする。」

これほど、この辞書の本質を理解せずに買ってしまった人も珍しい(笑)。果たして中身を読んでから買ったのだろうか?ハハハ。

投稿: asaden | 2005年2月 6日 (日曜日) 21時03分

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