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2005年1月 3日 (月曜日)

これって機械翻訳?

vjビニール・ジャンキーズ
ブレッド・ミラノ (著), 菅野 彰子 (翻訳) 単行本
(2004/12/18) 河出書房新社

書店で見つけて、「おお」と思った。

少し前から洋書で評判になっていたので、よもやこんなに早く翻訳版が出るとは思っていなかったからだ。たしか原書はアマゾンで1500円弱。こちらは定価1680円。
で、書店で少し立ち読みをして、「よしよし」ということで、買って帰った。

しかし、である。
確かに翻訳はひどくはないのだが、読んでいて何か違和感がある。で、それについて少し考えてみると、思い当たるのは、まるで原書で読んでいるような、つまり、原文が透けて見えるような対訳箇所が少なくないということである。

以下、適当に繰ったページからの抜粋。
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「クラムは日常的に聞くものだけを手元に置くという、思いきりのよい方針を守っている(本文P80)」

「その結果、計画住宅地のなかにある一九九〇年に閉店したレコード店へ行きついた。すでに何度かジャマイカ人が45回転盤を探しに来ていた。ほんとうに、あれは金鉱だった(本文P100)」

「どこか恐ろしい感じのするすばらしいジャケットのアルバムを作るようになる。その方向は、ムーアが初めてレコードを買って家に帰ったときに決定されていた(本文P124)」
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確かに考えてみれば、結構なスピードで英文を読むときは、こういった文章に頭の中で対訳しながら読んでいる(笑)。そういう点では、意味はなんとなく分かる。それに、同額の洋書を買ったと思えば、少し日本語が変であるが腹も立たない。
でもこれじゃ機械翻訳だ。日本語にする際の開き具合が足りなすぎる。

あともう一つだけ難を言えば、注釈がまったくないために、随所に出てくるミュージシャン名やアルバムタイトルに絡めた後半のオチが分かりにくいというか、訳者自身、わかっているのだろうか?と不安になる点だ。多分、原書にも注釈は無いのだろう。そういう意味では、不明なミュージシャンは自分で調べなさいということかもしれない。これも原書を買ったと思えば腹は立たない。

う~~む、しかしなあ(笑)、である。

まあ、洋書を買ってハイスピードで読んでも2週間くらい掛かるものを、この本だと3日ほどで読めるという点で、悪くはない。でもやっぱり詳細な注釈と、こなれた日本語で読みたかったな。森田 義信対訳の「ハイ・フィデリティ」のように。

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